私は現役診療放射線技師です。
よく患者様に聞かれることを記事にしてみたいと思います。
レントゲン検査、CT検査、MRI検査をする前は患者様が不安な気持ちになられることが多く、その不安や疑問を少しでも和らげればいいと思います。
今回は膝関節のMRIについてまとめていきます。
膝の怪我の種類
怪我の種類と一概に言っても色々ありますので、今回はスポーツ外傷について挙げていきたいと思います。
- 骨折
- 靱帯損傷
- 半月板損傷
- 軟骨損傷

骨折
骨折は誰でもわかると思いますが、骨が折れることです。
捻ったり膝を強く着いたり蹴られたり外傷が原因になることが多いのですが、疲労骨折という小さな力が蓄積されて骨が折れることもあります。
靭帯損傷
膝関節に力が加わり、膝の靭帯が損傷することです。
特に多いのは前十字靭帯という靭帯の損傷です。
半月板損傷
半月板とは、膝関節のクッション材みたいなものです。
強い衝撃を受けると損傷します。
軟骨損傷
膝関節にある軟骨に強い力が加わって損傷し、剥がれ落ちたりします。
膝関節のMRIの検査目的は?

大きくは、上記で述べた4つの外傷の有無を調べます。
MRI検査では靭帯が損傷しているのか、断裂しているのかもわかります。
半月板の損傷具合や、膝関節の骨折の有無だけでなく新しい骨折なのかどうかもわかります。
つまり、組織がどういった状態にあるのかを把握することができます。
CTと違い色々な種類の画像を撮影しますので、撮影時間がどうしても長くなりますがわかることも多いのです。
損傷や断裂、骨折の状態や有無を把握するために検査するということですね。
MRI検査の被曝は?
被曝のこともよく聞かれます。
しかしMRIはC Tと違い放射線を使わない検査ですので被曝はありません。
詳しくは述べませんが、電磁波を使って検査します。
なぜCT検査じゃないの?
MRI検査はCT検査に比べてコントラストが優れています。
わかりやすく言うと、構造がよく見えると言うことです。
だからといってMRI検査の方が優れていると言うことではありません。
CT検査とMRI検査は用途が違うと言うことを覚えておいてください。
膝関節MRIの料金は?

検査費用は大体25,000〜40,000円と言われています。
一般的な3割負担で計算すれば大体5,000円から7,000円くらいかかるかと思います。
放射線技師は請求の計算はしないので、あくまで一般的な額ですが。
また、フィルムを使ったり病院によって環境が違うのでそこら辺は金額が変わってくると思います。
あくまで検査だけの料金と言うことです。
まとめ
膝関節の構造や状態を把握するためにはMRI検査がとても有用です。
しかもMRI検査は被曝がなく、非侵襲的な検査と言ってもいいでしょう。
しかし検査時間がCTと比べて長いことや、狭い空間に入らなければならないと言うことを考えると、閉所恐怖症の方には難しい検査となります。
今はMRIも進化して音が静かになっていたり、検査時間が短くなってきています。
でも大体20分くらいはかかります。(あくまで造影剤を使わない検査ですが)
少しでも不安が解消されると幸いです。
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