自転車に「青切符」導入!2025年から罰則が厳しくなる

「自転車は歩行者に近いから、多少の違反は見逃されるだろう」――そんな感覚で乗っている人は少なくありません。
しかし2025年から、その認識は通用しなくなります。
警察庁は、自転車の交通違反に対して 「青切符(交通反則告知書)」制度を導入 する方針を示しており、これにより自転車利用者も自動車やバイクと同じように「反則金を科される仕組み」に組み込まれることになります。
これまで自転車の違反は、警察官による 口頭注意や指導 で終わることが多く、悪質なケースに限って「赤切符(刑事処分)」で送致されるにとどまっていました。ところが、青切符が導入されると、日常的に目にする軽度の違反行為 も例外なく処罰の対象となります。
▼青切符導入で処罰の対象となる主な違反例
- ながらスマホ運転:操作や注視で前方不注意となり、反則金の対象
- 傘差し運転:視界不良+片手運転の危険行為として取り締まり対象に
- 信号無視・一時不停止:これまでも重大事故の要因となっており、青切符で確実に罰則
- 無灯火運転:夜間事故のリスクが極めて高く、反則金が科される
▼青切符導入の背景
- 自転車事故による 死傷者数の増加
- 高齢者や子どもが巻き込まれる 重大事故の多発
- 国際的に見ても日本の「自転車に甘いルール」が課題とされてきたこと
こうした事情から、警察庁は「注意や指導だけでは再発防止が難しい」と判断。実効性ある罰則の導入 に踏み切ったのです。
自転車で違反するとどうなる?代表的な違反と罰則

「ちょっとくらい大丈夫」と思いがちな行為が、実は重大な違反です。
代表的な違反行為
- ながらスマホ運転:5万円以下の罰金
- 傘差し運転:青切符対象、事故時は重い過失
- 信号無視:青切符対象、繰り返すと刑事処分
- 飲酒運転:刑事罰(5年以下の懲役または100万円以下の罰金)
- 無灯火運転:青切符対象、夜間事故の原因に直結
👉 つまり「知らなかった」では済まされない時代になっています。
自転車に乗るなら知っておきたい「自転車安全利用五則」
国土交通省と警察庁が推奨する、自転車利用の基本ルールが「自転車安全利用五則」です。
自転車安全利用五則
自転車は法律上「軽車両」。つまり“歩行者の延長”ではなく“運転者”としての振る舞いが求められます。五則は「どこを走るか」「交差点での判断」「心身の状態」「身を守る装備」をシンプルに示した実践ルールです。以下のポイントを押さえておけば、混雑した街中でもグッと安全度が上がります。
1|車道が原則、左側を通行
- 何をする? 車道がある道路では車道を走り、道路の左端に寄って進みます。右側通行や車道の右側路側帯の走行はNGです。一方通行で「自転車を除く」と表示されている道でも、基本は左側通行のルールは変わりません。警視庁
- なぜ? 自動車と同じ流れに入ることで、周囲から進路の予測がしやすくなり、正面衝突や出会い頭のリスクを下げられるからです。
- 実践のコツ
- 進路変更前は必ず後方確認→合図→進路変更の順で。
- ドアの開閉(ドアリング)を避けるため、駐停車車両の横は間隔を空けて徐行。
- 路側帯は左側のみ通行可。右側の路側帯は通行違反です。警視庁
2|歩道は例外、歩行者優先
- 歩道を走っていいのは? 次のいずれかのときだけです。
①「普通自転車歩道通行可」の標識・標示があるとき/②13歳未満・70歳以上・身体の不自由な人が運転しているとき/③工事・連続駐車・交通量などにより車道走行が危険でやむを得ないと認められるとき。警視庁 - どう走る? 歩道では車道寄りを徐行。歩行者の通行を妨げる恐れがある場面では一時停止。ベルは「どいて」ではなく危険回避のために限って使います。警視庁
- よくある誤解 「歩道の方が安全」は半分正解。速度が乗る自転車は歩行者との交錯で事故になりやすいので、徐行と優先の徹底が不可欠です。警視庁
3|信号を守る(交差点では一時停止と安全確認までセット)
- どの信号に従う? 原則は車両用(三灯式)。ただし、横断時や「歩行者・自転車専用」の標示がある場合は歩行者用(二灯式)に従います。歩行者用の青点滅=黄色と同じ意味。無理に進入せず次の青を待ちましょう。警視庁
- 一時停止 停止線や踏切では完全停止→左右・後方確認。見通しが悪い交差点は“止まってから見る”が基本です。警視庁
- 右折はどうする? 自転車は二段階右折が原則。矢印信号がある交差点では、右向き矢印ではなく直進青か直進矢印に従って横断→向きを変えて対面の信号に従います。警視庁
4|飲酒運転は禁止(提供や同乗にも罰則あり)
- ポイント 自転車でも飲酒運転は刑事罰の対象。酒酔い運転は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。改正により酒気帯び運転(酩酊未満でも一定のアルコール保有状態)も3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金となりました。飲酒した人に自転車を提供したり同乗すること、酒類を提供することにも罰則が及びます。警視庁+1埼玉県警察
- なぜ? アルコールは認知・判断・操作のすべてを鈍らせ、ふらつきやブレーキ遅れを引き起こします。少量でも押して歩く/置いて帰るを徹底しましょう。警察庁
5|ヘルメットを着用(2023年から努力義務化)
- 法制度 2023年4月1日から、すべての自転車利用者にヘルメット着用が努力義務となりました。警察庁
- 根拠データ 自転車事故の死亡者の約5割は頭部に致命傷。頭部重傷・死亡者のうち未着用者の割合は着用者の約1.7倍。つまり、被害の軽減効果が統計で示されている装備です。警察庁
- 選び方・着け方 SG等の安全基準マーク付き/額から指2本分の位置にツバ前端/あごひもは指1本入る程度で緩みなく。夜間の視認性を上げる反射材付きも有効です。警視庁
補足:本来の五則には「夜間はライトを点灯」も含まれます。 無灯火は周囲から見えにくく極めて危険。前照灯+尾灯(または反射器材)を必ず装着し、夕暮れやトンネルでも早めの点灯を。罰則(5万円以下の罰金)も定められています。警視庁
上の5点を“当たり前”にするだけで、ヒヤリとする場面は確実に減ります。今日からは「自分は運転者」という前提で、走る場所・合図・止まる場所・体調・装備をセットで整えていきましょう。
【体験談】「自転車は軽いから安全」なんて思い込みだった

私自身、右側通行をしてきた自転車と正面衝突しそうになったことがあります。あと数センチずれていたら、大事故になっていたかもしれません。
また、傘を差しながら走っていたとき、突風で視界がふさがれ、歩行者に気づくのが遅れてしまったことも。ヒヤッとした瞬間に「ルールは誰かを守るためにある」と実感しました。
今日からできる!安全な自転車生活のための習慣
安全は「心がけ」ではなく日々の手順で作れます。ここでは、すぐ実践できて効果の高い3つの柱を、具体的なやり方まで落とし込みます。迷ったら、まずは太字の行動だけでも固定化してください。
1|「自分は運転者」だと意識する —— 視線・位置取り・合図の三点セット
- 視線は遠く+広く:前輪のすぐ先ではなく、20〜30m先を中心に観察。交差点・横道・駐車車両・歩行者・子ども・高齢者・ペットなど、動きが読みにくい対象を早めに見つける。
- 左端キープの“余白”を持つ:路肩に寄りつつ、側溝・段差・駐車車両のドア開放(ドアリング)を避けるために余白30〜50cmを確保。避ける余地があれば、急ハンドルが減ります。
- 後方確認→合図→進路変更:進路を変える前は肩越しに後方確認→手信号(右左折・停止)→滑らかに移動。合図は「自分の意思を周囲に翻訳する」ツールです。
- 交差点は“ブレーキ準備”で入る:指1本触れていれば制動までの時間が縮みます。見通しが悪い場所は一時停止→左右確認を徹底。
- 右折は二段階が基本:無理なタイミングで車線を横切らない。青信号を2回使う発想が安全です。
- 出発前30秒のABCチェック
- A(Air):タイヤを親指で押して弾力を確認。
- B(Brake):前後ブレーキを押しながら車体を揺らし、効きと異音をチェック。
- C(Chain):チェーンの張り・注油・サビ。異音があれば無理せず整備へ。
- +D(Devices):ライト・ベル・反射材・ヘルメットのフィット感。
- 装備は“見える化”優先:前照灯は日没前から点灯、背面は赤色尾灯 or 反射材を確実に。暗色の服でも反射タスキや反射ステッカーで存在を“光らせる”。
合言葉:「遠くを見る/余白を持つ/意思を示す」。この三点でヒヤリの多くは回避できます。
2|ながらスマホ・傘差しをやめる —— “手と視界をふさがない”仕組み化
- スマホは“走行中に触らない”前提で準備する
- 出発前に目的地とルートを確定。案内は停車して確認する。
- 通知は一括オフ(機内/集中モード)。どうしても必要な連絡は着信のみ許可に絞る。
- マウントを使う場合も停車時のみ操作。視線の移動が増える設置角度は避ける。
- 音は環境優先:イヤホンは周囲音の聴こえを阻害しやすい。緊急車両・自転車ベル・自動車の接近音が取れない構成は避ける。
- 雨の日は“傘以外”で視界と両手を守る
- レインジャケット&パンツ:撥水フード+つば付きキャップで雨粒が目に入るのを防ぐ。
- 手元カバー/防水グローブ:ブレーキ操作を確実に。
- 泥よけ(フェンダー):背面の水はねを抑え、無用な減速やふらつきを防止。
- 荷物はキャリア・前かご・パニア:腕に提げない。左右の重量バランスも意識する。
- “NG→OK”変換表
- 走りながら通知チェック → 停車帯で確認
- 片手に傘 → レインウェア+ライト
- 手提げ荷物 → 固定ベルト/ネットで積載
判断基準はシンプルに:「手がふさがるか? 視界が奪われるか?」。どちらか一つでも当てはまれば、やり方を変える。
3|最新ルールを定期的にチェックする —— 情報の置き去りを作らない
- 月イチ10分ルーティン
- 「自転車 交通ルール 県名」で最新の案内・注意喚起を検索
- 県警・自治体の公式サイト/公式SNSの更新を確認
- 通学・通勤経路で工事や規制の変更がないか地図で再確認
- 自転車保険・防犯登録・ライト・ヘルメット等の有効性チェック(電池・充電含む)
- 季節ごとの見直しポイント
- 春:新生活で交通量・初学者が増加。合図・徐行をより丁寧に。
- 梅雨:制動距離が伸びる。普段の2倍の車間を意識。
- 夏夜:薄着で視認性が下がる。反射材を追加。
- 秋冬:夕暮れが早い。早め点灯を習慣化し、路面の落ち葉・凍結に注意。
- 家族・職場での共有:学年や赴任の変わり目にミニ講習(5分)。ルール・装備・おすすめルートを共有すると、事故の芽が減ります。
- 情報の信頼性フィルター:体験談やまとめサイトだけに頼らず、公的機関の一次情報に戻る癖を。変更点は**「どこが」「いつから」「どの場所で」**を確認する。
すぐ始められる「チートシート」
- 出発前:ABC+D(空気・ブレーキ・チェーン・装備)/ルート確定/通知オフ
- 走行中:左端キープ/後方確認→合図→進路変更/交差点は減速+ブレーキ準備/早め点灯
- 悪条件(雨・暗所・混雑):速度を落とす>追い越さない>停車して判断
- 到着後:ライトOFF忘れ防止/異音・違和感のメモ/次回の整備予定を決める
自転車は、移動の自由と同時に周囲への説明責任を伴う乗り物です。
今日から**「遠くを見る」「余白を持つ」「意思を示す」**を合言葉に、手と視界をふさがない準備を整え、情報の更新を習慣化しましょう。小さな反復が、もっとも確実な安全対策になります。